繊細な構造をした眼球組織の中でも特に、見え方に直接影響しやすい部分が網膜です。わずかな異常が視力低下を引き起こすことも多く、薬物治療が飛躍的に発達した現在でも、手術でなければ治せない疾患が数多くあります。網膜硝子体手術は専門性が高く、高度な技術が要求されますが、医療技術の進歩によって、以前より安全に、日帰りでも手術が行えるようになってきました。当院では大学病院や総合病院と並ぶ最新の医療機器を整備し、網膜硝子体手術を専門とする医師が、最先端の安全な治療をおこないます。
硝子体とは網膜の前方にあるゼリー状の組織で、通常は透明ですが、網膜疾患により出血が溜まったり、炎症等によって濁りが生じると、光がうまく届かなくなり、視力が低下します。また硝子体が網膜を引っ張って変形させたり、網膜に穴が開くことで網膜剥離になると、視力障害や視野障害を引き起こします。網膜硝子体手術とは、硝子体を取り除くことで、これらの病態を治療する手術です。さらに当院では27G (0.4mm) という世界最小切開創の手術システムを用いて硝子体手術をおこなっています。
網膜の中心にある黄斑という部分に生じた膜によって網膜が変形し、歪みや視力低下をきたす病態です。硝子体手術では、硝子体及び原因となる膜を取り除きます。治療に急を要することは少ないですが、初期段階では無症状のことも多いため、歪みなどの自覚症状があれば、早めの受診をおすすめいたします。
糖尿病網膜症、網膜静脈分閉塞症、裂孔原性網膜剥離、加齢黄斑変性などの病態によって、網膜に出血を起こし、硝子体腔に出血がたまった状態が硝子体出血です。手術で出血を取り除き、必要に応じて原因疾患の治療を行います。墨を流したようなものが見えたり、急にもやがかかって見えた場合は、受診をおすすめいたします。
網膜の中心にある黄斑に穴が開くことで、視力低下をきたす疾患です。中心部がみづらい症状が出ることが多いです。硝子体を取り除き、内境界膜という網膜の組織を剥離した上で、眼内に気体を注入します。多くの場合、術後にうつぶせの姿勢が必要になります。
加齢に伴う変化や外傷などによって網膜の一部が破れてしまい、その亀裂から網膜が剥がれてくる病態です。硝子体を除去し眼内に気体を注入した上で、レーザー治療をおこないます。術後うつぶせの姿勢が必要になります。目の前に黒いものやゴミのようなものが飛んで見える症状は飛蚊症と言われ、通常は問題ありませんが、急に飛蚊症が悪化した場合は網膜剥離の可能性も考えられるため、お早めにご相談ください。
手術で挿入された眼内レンズがずれたり、眼内に落下してしまった状態です。外傷やレンズが挿入された支持組織がもともと脆弱なために起こります。硝子体と眼内レンズを取り除き、新しい眼内レンズの支持部を強膜という白目の中に埋め込み再固定する治療を行います。
当医院の網膜硝子体手術は、最先端の手術設備を整えており、より安全で患者さまの負担の少ない手術を実現しております。
診察
ご相談のうえ、手術日を決めます。
同時に手術前検査、手術説明の日程も決定します。
眼球の検査、および採血や血圧を測り、全身の健康状態を調べます。
手術説明
手術前検査の結果、問題がなく手術が可能と診断された方には手術に関することについて説明させていただき、質問にお答えします。
手術当日の来院時刻を決定します。
また目薬をお渡ししますので、指示通りに点眼してください。
手術当日
原則として、開始予定時刻の60分前にご来院をお願いします。
手術にかかる時間は60分程度です。重症の場合は2時間程度かかるケースもあります。
手術後の安静度
自宅に帰られたあとは力の入ることはせず、ゆっくりとお過ごしください。眼内にガスを注入した場合は数日間うつぶせや横向きで安静にし、しばらく航空機の搭乗を控えていただくことがあります。その他も日常生活での行動に制限がある場合がございますので、ご相談ください。
手術後の通院
定期的に通院をしていただき、手術後の経過を観測します。
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