SICK
目の病気について

目の病気の症状や治療方法

遠視・近視

遠視や近視は、目の屈折異常です。ものがぼやけて見えるために、そのままでは仕事や学業に影響が出てきます。特に小さい子どもの場合は、遠視になっているのがわからないことがあり、普段から斜視などの症状に注意する必要があります。現代の生活は、テレビやパソコン、ゲームなど、目に大変負担のかかる環境となっています。普段から、適度に目を休ませ、照明や読書の姿勢に気をつけるなどして、目の健康に十分な注意を払っていきましょう。

乱視

乱視は、角膜や水晶体の歪みが原因となって起こる屈折異常です。遠近の距離に関係なく、ものがにじんだりぼやけて見えます。近視や遠視に比べて見つけにくく、放置されることが多いようです。しかし、文字が見えにくいと、仕事や学業に影響が出ます。また、交通信号や電光掲示板の文字を読み違えると事故にもつながりかねません。自覚症状があったら早めに眼科に相談して、乱視用の眼鏡やコンタクトレンズで矯正をしましょう。

結膜炎

白目やまぶたの裏側が充血することや、ブツブツができることがあります。目やにやかゆみ、まぶたの腫れなどの症状が出たら、結膜炎の可能性があります。結膜炎には、細菌、ウイルス、アレルギー物質などいろいろな原因があります。特に、ウイルス性の結膜炎は、ウイルスの種類によって、流行性角結膜炎(はやり目)、咽頭結膜炎(プール熱)、急性出血性結膜炎があります。いずれも伝染力が強く特効薬もないので、厳重な注意が必要です。また、アレルギー物質によって起こる結膜炎は、ハウスダスト、草や木の花粉などが要因です。最近では特に花粉症に伴うアレルギー性結膜炎が、非常に多くの人に発症しています。治療には、点眼薬の使用が効果的です。目の症状があれば、お気軽に眼科医にご相談ください。

角膜炎

黒目の部分は、角膜といって、外の光を目の中に導く窓であり、水晶体と並んでレンズの役割を果たしている組織です。ここから入った光が網膜の上で像を結ぶことで、初めてものが見えるのです。透明な角膜が濁ったり、変形を起せば、視力には大きな影響を及ぼすことになります。細菌やウイルス、カビの一種の真菌などが感染して、この黒目の部分に炎症が起こる病気を角膜炎といいます。眼科にかかるのが遅れると、治りが遅くなったり、視力の低下が起こったりしますので、目の痛みや目ヤニ、充血などを感じたら早めに受診をしてください。また角膜炎はコンタクトレンズの不具合からも起こりますので、コンタクトレンズは眼科医の指示に従い、充分注意して使用しましょう。

結膜下出血

白目にべったりと赤い血が広がる結膜下出血は、みなさん大変驚いて眼科にいらっしゃいます。すぐ引くから心配がないと言うと、「こんなに赤いのに」とまた驚かれます。しかし、たいていの結膜下出血は1~2週間で自然に吸収されますので大丈夫です。ただ、なんども繰り返したり、なかなか赤みが引かない場合は相談してください。高血圧や糖尿病などが原因となっていることもあるので、その場合は原因の病気をきちんと治療する必要があります。また、通常の結膜下出血は、痛みやかゆみ、見えにくいなどの症状を伴いません。これらの症状を自覚したら受診してください。

花粉症

花粉症の苦しさは患者さんしかわかりません。あまりの目のかゆみに、「目を取り出して洗いたい」とおっしゃった患者さんもいました。今や春先の眼科(耳鼻科もそうですが)待合室は、目を赤く鼻をグスグスいわせた患者さんでいっぱいです。目のかゆみは、アレルギー性の結膜炎です。まぶたの裏側と白目の表面をカバーする結膜は、いつも涙で濡れているので、花粉がつきやすくなっています。食生活や自動車の排ガスとの関連もささやかれる花粉症は、今や国民病ともいえる病気です。アレルギー性結膜炎は抗アレルギー薬での治療が主になりますが、外出時に眼鏡やマスクをつけたり、帰宅時に衣服をはたいたりして花粉を家庭に入れないことも効果があります。さらに睡眠を充分にとり、バランスのよい食生活を心がけるなど、アレルギー体質の改善を図る工夫も必要です。

霰粒腫

目の表面は常に涙でカバーされています。この涙がすぐに蒸発しないように、涙の表面は微量の油分でおおわれています。まぶたでこの油分を分泌するのがマイボーム腺です。このマイボーム腺の出口がふさがってしまうと、まぶたがゴロゴロとする肉芽腫ができます。これが霰粒腫です。霰粒腫には痛みや充血はありませんが、細菌に感染して化膿すると痛みや充血があります。高齢者の場合、まぶたのゴロゴロはまれにガンということもあるため、そのような症状があれば眼科で相談しましょう。

麦粒腫

「ものもらい」、「めばちこ」とも呼ばれています。医学的には麦粒腫といい、まぶたの脂腺や毛根に細菌が感染し、炎症を起こした状態を指します。症状は眼の充血、痛み、かゆみなどがあります。つい目をこすってしまいがちですが、症状を悪化させてしまうため、絶対にこすってはいけません。麦粒腫は感染症であるため、治療には抗生物質の点眼薬を使います。化膿して腫脹が強い場合は切開が必要になることがあります。症状があれば眼科に気軽にご相談ください。

糖尿病網膜症

糖尿病は自覚症状の少ない病気ですが、さまざまな合併症があります。最も注意しなくてはいけないもののひとつに、糖尿病性網膜症があります。自覚症状がないために、発症になかなか気がつきませんが、網膜が腫れたり、硝子体の中にまで出血すると、視力の低下として自覚されます。そのまま放置されると、網膜にある血管が破綻して出血し、場合によっては社会的失明に至ります。日本の中途失明原因の第二位は、この糖尿病性網膜症です。網膜の異常は眼底検査で発見ができるため、定期的な検査を行う必要があります。きちんと治療をすれば進行は抑えられますので、眼底検査を忘れないようにしましょう。

ドライアイ

日本には1000万人のドライアイ患者がいるといわれています。現代社会では、パソコンのモニターを見つめている時間が多くなり、目を酷使している状態です。ところが、ほとんどの人は軽い目の疲れと考え眼科医に受診しませんが、ドライアイが原因となり、深刻な目の病気を招くこともあります。異物感やまぶしさ、目の痛みを感じたらドライアイを疑い、気軽に眼科医に相談することをお勧めします。パソコン作業時には定期的な休息で目を休めて、目を酷使しないよう注意しましょう。

白内障

昔は「しろそこひ」と呼ばれ、進行すると外から黒目の部分が白くにごっているのがわかります。個人差はありますが、加齢とともに誰にでも起こる避けられない現象で、60歳代になると多くの人に白内障の症状が認められます。初期の自覚症状は、目のかすみやまぶしさなどです。白内障は目薬で進行を遅らせることができますが、白内障を治す薬はありません。生活に支障を感じるようになれば、濁った水晶体をとりだして、人工の眼内レンズを入れる手術を行うのが一般的です。最近の白内障手術はとても安全なものになっています。安心して医師に相談してみてください。

緑内障

緑内障はかつて「あおそこひ」と呼ばれていた病気で、高齢者の失明の大きな原因のひとつでした。今でも、この病気に気がつかなかったり、放置していると、失明に至ることもあります。全国には200万人の緑内障患者がいるといわれていますが、その多くの人が病気に気づいていません。早期発見で治療をすれば進行を止められる病気です。目の定期健診を欠かさないようにしましょう。緑内障の治療は、薬剤の使用で眼圧を下げ、一定の状態にコントロールするのが一般的です。緑内障との付き合い方を知って治療していきましょう。

飛蚊症

青空や白い壁を見ていると、視界にゴミか虫のようなものがぼんやり見えて、目をこすっても消えない・・・・こんな体験は誰でも一度はあると思います。それが飛蚊症です。原因は硝子体に生じた濁りが、網膜に映るため、ゴミや虫のようにみえるのです。硝子体には元々多少の濁りがあります。また加齢とともに濁りは生じてきます。このような生理的飛蚊症は心配がありません。ただし、網膜剥離や網膜裂孔が原因となり、飛蚊症がおきることもあります。いつもと違うと感じたら、軽く考えず、眼科医に相談してください。また、強度近視の方や、アトピー性皮膚炎の方は網膜剥離の危険性が高いため、飛蚊症には注意してください。

眼精疲労・VDT 症候群

パソコンやゲームなどで私たちの目は酷使されています。軽い目の疲れは休めば治りますが、頑固な疲れになると休んでもなかなか治らず、頭痛や吐き気などの症状へとつながることもあります。このような状態におちいる眼の疲れを眼精疲労と呼んでいます。パソコンやゲームの画面を見つめていて起こるために、VDT症候群、テクノストレス眼症ともいわれます。大切な目のために酷使は避け、定期的に休息を取るように心がけましょう。また眼鏡、コンタクトレンズの不具合も眼精疲労の原因となりますので、定期的なチェックが必要です。

網膜剥離

目に入った光は角膜と水晶体でピントを合わせ、網膜に像を結びます。網膜に写った像の光や色は視神経を通して脳に伝えられ、ここで初めて「ものが見える」と認識できるのです..。40歳代以降では、加齢とともに眼球の組織自体に変化が起きるため、硝子体が縮んでいき、その際に網膜剥離が起きることがあります。またボクシングのように衝撃を目に受け続けたり、ボールが目にぶつかったりして起きることもあります。はがれたままの網膜は次第に機能が低下していくので迅速な治療が求められます。また、剥離の際に網膜が切れたり穴があくことが多く、これはレーザー治療や手術を行います。網膜剥離は、放置すると失明につながりかねませんが、適切な治療で視力は回復します。