
「眼内レンズ」に寿命はあるの?実は人間の寿命よりも長持ちする理由 💎
【眼科の裏話】「眼内レンズ」に寿命はあるの?実は人間の寿命よりも長持ちする理由 💎
こんにちは!
白内障手術を検討される患者さんから、よくこんな質問をいただきます。「このレンズ、何年くらい持ちますか? 入れ替えは必要ですか?」
ご安心ください。結論から言うと、「眼内レンズは、一度目の中に入れたら、基本的に一生交換する必要はありません」。
さらに言えば、今の多焦点眼内レンズの素材は、人間の寿命よりも遥かに長く安定した状態を保てるように作られています。
今日は、レンズの「見え方」の話ではなく、少しマニアックな「モノとしての凄さ(耐久性と科学)」について、一般的にはあまり語られない視点でお話しします。
1. 腐らない、錆びない、変化しない「最強の素材」✨
現在、Odyssey(オデッセイ)、PanOptix(パンオプティクス)、Geometric(ジェメトリック) といった最新の多焦点レンズに使われている主な素材は、「疎水性アクリル」という特殊な樹脂です。
この素材の何が凄いかというと、生体適合性が極めて高く、目の中(房水という水の中)に何十年浸かっていても、物理的・化学的な劣化がほぼ起こらないという点です。
具体的には、こんなことが起こりません:
- 水分を含んで膨らんだりしません
- 体温で溶けたり変形したりしません
- 組織と癒着してボロボロになったりしません
かつては数十年経過すると素材が濁る(グリスニングや石灰化)現象が課題だった時代もありましたが、現在の主要なレンズメーカーの素材は製造技術が飛躍的に向上しており、透明性を半永久的に維持できるようになっています。
まさに「目の中の宝石」のように、変わらない輝きを保ち続けるのです。💎
2. 「性能」は「塗装」ではない 🎨
もう一つ、皆さんが意外と知らない事実があります。
多焦点レンズの特徴である「遠くも近くも見える機能」。これは、メガネのコーティングのような「表面に塗られたもの」ではありません。
例えば、OdysseyやPanOptixに見られる同心円状のリング(回折構造)や、Vivity(ビビティ)やPureSee(ピュアシー)のようなEDOF(焦点深度拡張型)レンズが持つ波面制御技術。
これらはすべて、レンズの素材そのものをナノレベルの精度で「削り出し・成形」して作られています。
つまり、こんな心配は不要です:
- 摩擦で機能が剥がれ落ちることはありません
- 経年劣化で多焦点の機能が薄れることもありません
レンズが目の中で安定している限り、手術直後の「見える機能」は、物理的に形状が壊れない限り永遠にその性能を維持し続けます。
100歳になっても、レンズの刻まれた溝はそのままです。🔧
3. なぜ「一生モノ」と言えるのか ⏰
私たちの体は年齢とともに変化します。肌にシワができたり、関節が痛くなったりするのは避けられません。
しかし、人工物である眼内レンズは「年を取りません」。
もし、手術後に見え方が変わったとしたら、それはレンズが古くなったのではなく、それを受け止める「目や脳の状態」が変化した場合がほとんどです。
だからこそ、私たちは「どのレンズを選ぶか」にこだわります。
人生100年時代と言われますが、例えば60歳で手術をした場合、残りの40年間、このレンズは一度も休むことなく、劣化することなく、あなたの視界を支え続けます。
人間の生体組織よりもタフで長寿命なパートナー。それが現代の眼内レンズなのです。💪
さいごに
「眼内レンズは、自分が一生を終えるその時まで、新品同様のクリアさを保ってくれる」
そう思うと、レンズ選びがまた少し違った視点で感じられませんか?
ご自身のライフスタイルに合った「一生の相棒」を見つけるお手伝いを、私たちスタッフが全力でサポートします。気になることがあれば、いつでも声をかけてくださいね。✨



