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『飛蚊症』の正体とは?

【それ、病気?】目の前に虫が飛ぶ『飛蚊症』の正体とは?放置OKなタイプと、すぐ眼科に行くべき危険なサイン、最新の治療法まで徹底解説!

「あれ、なんか黒い虫みたいなのが飛んでる…?」
「視線を動かすと、半透明のアメーバみたいなのがフワフワついてくる…」

晴れた日の青空や、白い壁を見たとき、目の前にこんな"何か"が見えた経験はありませんか?
手で払いのけようとしても消えず、目を動かすと一緒に動く、不思議な浮遊物。
その名も「飛蚊症(ひぶんしょう)」。まるで蚊が飛んでいるように見えることから、そう呼ばれています。

この飛蚊症、多くの人が経験する身近な症状ですが、「これって放っておいて大丈夫なの?」と不安に思っている方も多いはず。

今回は、そんな飛蚊症の正体から、心配いらないタイプと危険なタイプの見分け方、そして最新の治療法まで、徹底的に解説していきます!


そもそも、飛蚊症の"浮遊物"の正体ってなに?

あのフワフワした浮遊物の正体は、実は「目の中に"本当に"ある、にごりの影」なんです。
これを理解するために、私たちの目を「フルーツ入りの透明なゼリー」に例えてみましょう!

  • 硝子体(しょうしたい)
    私たちの眼球の中は、「硝子体」という、生卵の白身のような、透明でドロっとしたゼリー状の物質で満たされています。若い頃は、このゼリーはとてもキレイで透明です。

  • 年齢と共にゼリーが変化!
    年齢と共に、このゼリーは少しずつサラサラの水のような部分(液化)と、ドロっとした線維の部分に分かれていきます。そして、その線維が塊になったり、シワが寄ったりして「にごり」が生まれます。

つまり、飛蚊症とは…
目から入ってきた光が、このゼリーの中の「にごり」に当たり、その"影"が、奥にあるフィルム役の網膜(もうまく)に映っている状態なのです!

影を見ているので、いくら目を擦っても消えないし、視線を動かすとゼリーも揺れるので、影も一緒にフワフワと動く、というわけですね。


⚠️ ここが一番大事!「心配ない飛蚊症」と「危険な飛蚊症」

飛蚊症の9割以上は、先ほど説明した加齢による自然な変化で、心配のいらない「生理的飛蚊症」です。
しかし、ごく稀に、失明に繋がるような重い目の病気のサインとして現れる「病的飛蚊症」があります。
以下の症状が見られたら、絶対に放置せず、すぐに眼科を受診してください!

【超危険!すぐに眼科へ行くべきサイン】

  • 浮遊物の数が、突然"爆発的に"増えた(「急にススが大量に見えるようになった」など)
  • ピカッ!と稲妻のような光が見える(光視症)
  • 視野の一部に、黒いカーテンや膜のようなものが見える(視野欠損)

これらの症状は、網膜に穴が開いてしまう「網膜裂孔」や、網膜が剥がれてしまう「網膜剥離」といった、緊急手術が必要な病気の前兆かもしれません。


治療法はあるの?「慣れる」から「消す」という選択肢まで

では、特に病気ではない「生理的飛蚊症」は、どうすれば良いのでしょうか?

① 基本は「経過観察」:慣れて、気にならなくする

ほとんどの場合、医師からは「特に心配ないので、慣れてください」と言われます。
実際に、数ヶ月〜数年も経つと、脳がその"影"を「重要でない情報」と判断して、意識に上らなくなり、気にならなくなる(神経順応)方がほとんどです。

② レーザー治療:浮いている"にごり"を砕く

どうしても飛蚊症が気になって、日常生活に支障が出る…という方向けの選択肢が「レーザービトレオライシス」です。
これは、レーザーをにごりに照射して、気化させて消したり、細かく砕いて目立たなくさせたりする治療法です。

  • メリット: 体への負担が少ない日帰り治療。
  • 注意点: 比較的、大きくてハッキリしたにごりが対象。すべてのにごりに効果があるわけではありません。

③ 硝子体手術:"ゼリー"ごと入れ替える最終手段

レーザーでは対応できない、無数の細かい飛蚊症に悩む方向けの最終手段が「硝子体(しょうしたい)手術」です。
これは、目の中のにごりを含んだゼリー(硝子体)そのものを、まるごと吸い出して、代わりにキレイな生理食塩水に入れ替えるという手術です。

  • メリット: 原因を根本から取り除くため、症状は劇的に改善します。
  • 注意点: 入院が必要な、本格的な目の手術です。白内障や感染症などのリスクも伴うため、本当に日常生活が送れないほど重症な場合にのみ、慎重に検討されます。

まとめ:最初の一個が見えたら、まずは"答え合わせ"を

飛蚊症の正体、そして良いものと悪いものの違い、ご理解いただけたでしょうか?

大切なのは、自己判断で「これは大丈夫なやつだ」と決めつけないこと。
目の前にフワフワと浮遊物が見え始めたら、それが「心配のいらない、ただのゼリーの影」なのか、それとも「危険な病気のサイン」なのか、その"答え合わせ"のために、まずは一度、眼科で検査を受けることを強くお勧めします。

あなたのその目に見えるものが何なのか、私たちがしっかり診断しますので、いつでも安心してご相談くださいね。

戸塚駅前鈴木眼科
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