
多焦点眼内レンズ手術後の「見え方」、いつ安定する?術後1週間・1ヶ月の過ごし方ガイド🗓️
多焦点眼内レンズ手術後の「見え方」、いつ安定する?術後1週間・1ヶ月の過ごし方ガイド🗓️
白内障手術や多焦点眼内レンズ手術を受けられた方は、
「これからどんな風に見えるようになるのだろう」
「本当に生活が快適になるのかな」
と、期待と同時に少しの不安も感じていらっしゃるかもしれません。
また、これから手術を考えている方も、「術後はどんな見え方になるの?」「どれくらいで普段通りに過ごせるの?」と、気になることがたくさんあるのではないでしょうか。
このガイドでは、手術後の見え方がどのように変化し、どのタイミングで安定していくのか、そして新しい見え方に慣れるためのコツについて、分かりやすくご紹介します。
手術そのものは短い時間で終わりますが、多焦点眼内レンズの本当のゴールは「脳が新しい見え方に慣れ、レンズの性能を最大限に引き出すこと」にあります。
「手術直後なのに、まだ少しぼんやりする…」
「近くが見えにくい気がするけど、大丈夫?」
そんな風に、術後の見え方に少し戸惑いや不安を感じていませんか?
ご安心ください。
それは、あなたの脳が新しい"超高性能な目"の使い方を、一生懸命トレーニングしている証拠です。
今回は、手術後の見え方がどのように変化し、安定していくのか。そのスケジュールと、新しい見え方に早く慣れるためのコツをご紹介します!
手術後の見え方スケジュール ✨
見え方の変化や安定までの期間には個人差がありますが、一般的な目安として参考にしてくださいね。
🗓️ 手術直後〜翌日
- 見え方の特徴:
手術当日は、麻酔や炎症の影響で、まだハッキリとは見えません。「水中から景色を見ているような」「霧がかかったような」と感じる方が多いです。これは正常な経過なので、心配いりません。 - この時期の過ごし方:
とにかく目を休ませることが一番です。処方された目薬を時間通りに点眼し、お渡しした保護メガネをしっかり装用して、ゆったりと過ごしましょう。
🗓️ 術後〜1週間
- 見え方の特徴:
日ごとに霧が晴れるように、見え方がクリアになっていくのを実感できる時期です。特に遠くの景色が驚くほどハッキリ見えるようになり、感動される方も多いです。一方で、中間距離や手元のピントはまだ合いにくく感じたり、夜間のライトが少しにじんで見えたり(ハロー・グレア)することもあります。 - この時期の過ごし方:
引き続き、目薬の点眼がとても大切です。目に水やゴミが入らないように注意し、激しい運動や飲酒は控えましょう。
🗓️ 術後1ヶ月
- 見え方の特徴:
生活の中での見え方が、かなり安定してくる時期です。脳が遠・中・近のピントの切り替えに慣れ始め、スマホの文字やレストランのメニューなど、日常生活での「見たいもの」が自然に見えるようになってきます。気になっていたハロー・グレアも、少しずつ薄れていく方が多いです。 - この時期の過ごし方:
ほとんどの日常生活の制限がなくなります。この時期に意識して様々な距離のものを見ることで、脳のトレーニング(=ニューロアダプテーション)が促進されます。
🗓️ 術後3ヶ月〜
- 見え方の特徴:
ほとんどの方が、新しい見え方を「自分のもの」として、違和感なく使いこなせるようになっています。脳の順応が完了し、多焦点眼内レンズが持つ本来の性能が発揮される時期と言えるでしょう。 - この時期の過ごし方:
メガネのない快適な生活を思いっきり楽しんでください!これから迎える行楽の秋、趣味の時間など、新しい見え方があなたの世界をさらに広げてくれるはずです。
💡新しい見え方に早く慣れるための、ちょっとしたコツ
意識して「見る練習」をしてみましょう
焦る必要はありませんが、テレビを見ながら手元の新聞に目を移したり、散歩中に遠くの景色と近くの花を交互に見たりと、意識的にピントを合わせる練習をすると、脳の順応がスムーズになります。最初は「明るい場所」で見るのがコツ
特に手元を見るときは、明るい照明の下で見る方がピントが合いやすく感じます。慣れるまでは、読書灯などを活用してみてください。他人と比べず、焦らないで
見え方の安定には個人差があります。「〇〇さんはもうすっかり見えてるのに…」と焦る必要は全くありません。ご自身のペースで、ゆっくりと新しい目に慣れていきましょう。
手術後の見え方が安定していく過程は、単に「レンズを入れたから終わり」ではありません。高性能な多焦点レンズの力を最大限に引き出すためには、あなた自身の脳が新しい視覚情報を受け入れ、適応していく“リハビリ”のような期間がとても大切です。たとえば、最初は「遠くはよく見えるけど、手元はまだ慣れない」「夜のライトが気になる」といった戸惑いがあるかもしれませんが、これは脳が“新しい見え方”を学習している証拠です。
この「脳とレンズの共同作業」は、日々の生活の中で少しずつ進んでいきます。意識していろいろな距離のものを見たり、明るい場所で読書や細かい作業をしたりすることで、脳の順応がよりスムーズになります。焦らず、ご自身のペースで“新しい目”と向き合ってください。
私たちスタッフも、皆さん一人ひとりの見え方や生活スタイルに合わせて、術後の不安や疑問に丁寧に寄り添い、必要に応じてアドバイスやサポートを行います。どんな小さなことでも、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。あなたの「見える喜び」を一緒に育てていきましょう。
少しでも不安なことや、気になることがあれば、遠慮なく次の検診で医師やスタッフに相談してくださいね。