
「多焦点レンズにしたのに手元が見えにくい…」原因と対処法4つ+安心ガイド
📓「多焦点レンズにしたのに手元が見えにくい…」原因と対処法4つ+安心ガイド
「白内障手術で多焦点レンズにしたのに、スマホや本の手元が見えにくい…」
「もしかして手術は失敗?」——ご安心ください。多くは「正常な経過」または「ちょっとした工夫」で改善します。
多焦点レンズ後に「手元が思ったほど…」と感じる方は珍しくありません。多くの場合、レンズの特性や脳の順応(ニューロアダプテーション)による一時的な違和感です。ポイントを押さえれば、時間とともに改善します。
この記事では、手元が見えにくい主な原因4つと、今すぐできる対処法、時系列の目安、受診の目安を分かりやすく解説します。
🎯まずはセルフチェック
- ☐ スマホを見る距離は「顔から30〜60cm」の間で試した
- ☐ 室内照明・手元ライトを十分に明るくした
- ☐ 乾燥感がある時は点眼などでうるおいを整えた
- ☐ 術後1〜3ヶ月の「慣れ期間」で焦らず様子を見ている
1つでも「☐」が残っていれば、本記事の対処を試す価値があります。
1. なぜ?「手元が見えにくい」と感じる主な4つの原因
手術がうまくいっていても、手元が見えにくいと感じるのには理由があります。
原因1:脳が「新しい見え方」に慣れていない(適応期間)
多焦点レンズは複数距離の情報が同時に網膜へ届く設計です。脳がこの情報を最適に選び分けるには時間が必要で、一般に数週間〜3ヶ月で安定していきます(個人差あり)。
原因2:レンズの「特性」と見たい「距離」が合っていない
多焦点といってもタイプにより得意距離が異なります。
- 3焦点:近(約40cm)・中(約60cm)・遠がバランス良好
- EDOF(焦点深度拡張):中間〜遠が得意、近30cm前後は弱めになりやすい
EDOF装用で「30cm読書」をすると、得意距離から外れて見えづらいことがあります。逆に、顔から少し離すと急に読みやすくなるのはこのためです。
原因3:乱視やドライアイなど、他の要因
- 乱視が残存:像がにじみ、細字や手元がぼやける
- ドライアイ:角膜表面が不安定になり、見え方が揺らぐ
- 瞳孔径:暗所で瞳孔が拡大すると、レンズ設計と合わず見えにくい場面がある
原因4:期待と現実のギャップ
多焦点は「メガネ依存を減らす」レンズです。極細作業や暗所では、弱い度数のメガネ補助が快適な場合もあります。
✨今すぐできる!見え方の工夫と対処法
「見えにくい」と感じたら、まずは次の3つから。
対処法1:距離の最適化(30〜60cmを探る)
スマホや本は30〜60cmで少しずつ前後。ご自身のレンズで「一番楽な距離」を見つけましょう。EDOFなら気持ち遠めがコツ。
対処法2:照明アップ(手元ライトが有効)
暗所では瞳孔が開き、見えにくさが増幅。デスクライトで手元を明るくすると、コントラストが上がり見やすさが改善します。
対処法3:フォーカストレーニング(1日1〜2回・各1分)
遠景→中間→近方の順で視線をゆっくり移し、ピントを意識的に合わせる練習をします。リラックスして「新しい見え方」を脳に学習させましょう。
補助的に効果的:
- 乾燥対策の点眼で表面を整える
- 細かい作業は弱い度数のメガネを必要に応じて併用
🗓見え方の変化:時系列の目安(個人差あり)
- 術後〜1週間:見え方が日ごとに揺れることも。乾燥・疲労で手元が不安定になりやすい
- 1週間〜1ヶ月:距離感の掴み方が上達。最適距離が分かってくる
- 1〜3ヶ月:多くの方で安定。難しい場面のみ補助メガネで快適性アップ
🧭それでも改善しない・不安が続く場合は?
セルフケアで改善しない場合は、一人で抱え込まないことが大切です。
ステップ1:まずは手術を受けたクリニックに相談
「いつ・どの距離・どんな場面で見えにくいか」を具体的に共有。乱視残存・ドライアイ・瞳孔径・レンズ度数のわずかなズレなど、検査で把握できます。
ステップ2:必要に応じて補助メガネを併用
夜間運転・長時間読書・細作業など、特定シーンだけ弱い度数のメガネで補助するとストレスが大幅に軽減します。「無理をしない」がQOL向上の近道です。
必要に応じて:
- ドライアイ治療や点眼調整
- 乱視・度数の微調整(眼鏡/コンタクト)
- まれに追加手技の検討(医師と要相談)
✅まとめ:不安を解消し、新しい「見え方」と上手に付き合おう
- 多くは「適応の途中」または「距離・照明」の工夫で改善
- レンズ特性に合う距離を見つけ、明るい環境で見る
- 1〜3ヶ月で安定しやすいが個人差あり
- 不安が続く時は、遠慮なく専門医へご相談ください
ご安心ください。新しい見え方は、あなたの世界をさらに広げてくれます。焦らず、ご自身のペースで。



