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白内障手術後、「夜の運転で対向車のライトが眩しすぎる…」「信号や街灯の光が、輪っかのように滲んで見える…」

そんな経験はありませんか？😰

その現象は「ハロー・グレア」と呼ばれる、多焦点レンズの手術後によく見られる症状です。
「手術がうまくいかなかったのでは？」と不安に感じていらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。多くの場合はレンズの特性によるもので、時間とともに慣れていくことがほとんどです。

この記事では、ハロー・グレアが「なぜ起こるのか」「いつまで続くのか」、そして一番心配な「夜の運転」で困らないための具体的な対策を、分かりやすくご紹介します。

ハロー・グレアは、多焦点レンズの「構造」に秘密があります。

多焦点レンズは、目に入ってきた光を「遠く用」「中間用」「近く用」など、複数の焦点に振り分ける設計になっています。この時、焦点を分けている部分で光が散乱しやすくなるため、強い光を見たときに滲みや眩しさ（ハロー・グレア）として感じることがあります。

まるで、光が「分かれ道」で少し散らばってしまうようなイメージです。

手術直後は、脳が「新しい光の入り方」にまだ適応できていません。この脳の順応プロセスを「ニューロアダプテーション（脳の順応）」と呼びます。

そのため、ハロー・グレアを「異物」として強く認識してしまい、非常に気になります。でも、これは正常な経過です。時間とともに、脳は新しい見え方に慣れていきます。

特に、光を細かく振り分ける「回折型（かいせつがた）」と呼ばれるタイプのレンズは、構造上、ハロー・グレアが出やすい傾向があると言われています。

ただし、これは「悪いこと」ではなく、レンズの特性の一つです。多くの方が時間とともに慣れていきます。

「この眩しさがずっと続くの？」と不安になるかと思いますが、結論から言うと「見え方は変わらなくても、脳が慣れて気にならなくなる」ケースがほとんどです。

• 個人差が非常に大きいのが前提です。見え方の安定には個人差があります。
• 早い方で術後1〜2ヶ月、多くの方は3ヶ月〜半年ほどで、脳がハロー・グレアの光を「これは必要な光ではない」と判断し、自然と無視できるようになっていきます。
• 「症状がゼロに消える」というよりは、「生活の中で気にならなくなる（慣れる）」というイメージが近いです。

焦らず、ご自身のペースで新しい見え方に慣れていきましょう。

慣れるまでの間、特に夜の運転は安全第一です。以下の対策を試してみてください。

• 最も大切なことです。眩しさが強く不安なうちは、暗くなってからの運転を控える。
• 慣れるまでは、家族に運転を代わってもらう、公共交通機関を使うなどの工夫を。
• 安全第一を最優先に考えましょう。

• 対向車のヘッドライトを「直視」しないようにしましょう。
• 少し視線をずらし、ライトが直接目に入らないようにするだけでも、眩しさは軽減されます。
• 視線を少し下げる、または横にずらすだけでも効果的です。

• フロントガラスの汚れや油膜は、光を乱反射させ、眩しさを倍増させます。常に綺麗に清掃しておきましょう。
• ダッシュボードに白い紙などを置くと、ガラスに映り込んで視界の邪魔になるため、片付けておくのがおすすめです。
• 明るい色の物は、できるだけダッシュボードから片付けておくと良いでしょう。

• 「夜間運転用グラス」として市販されている、特定の光をカットする薄いイエロー系のレンズや、特殊なコーティングが施されたメガネがあります。
• ただし、自己判断で購入せず、まずは手術を受けたクリニックの医師に「使っても良いか」「どんなものが推奨されるか」を相談してみましょう。
• 医師のアドバイスに基づいて選ぶことが大切です。

半年以上経過しても、日常生活や運転に支障が出るほどハロー・グレアが強く、まったく慣れる気配がない場合は、我慢せずに医師に相談してください。

乱視が残っているなど、別の要因が隠れている可能性もゼロではありません。気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

専門の機械で詳しく検査することで、より適切な対処法が見つかることもあります。

多焦点レンズのハロー・グレアは、多くの方が手術直後に経験する現象です。
「眩しい！」と焦る気持ちは分かりますが、脳の適応力（ニューロアダプテーション）は素晴らしく、時間とともに必ず慣れていきます。

それまでは無理をせず、安全運転を第一に考えながら、新しい見え方と上手に付き合っていきましょう。

もし、不安なことや気になることがあれば、いつでも当院へご相談ください。あなたの新しい見え方が、快適な生活を楽しむための一歩になるよう、私たちがサポートいたします✨