
お子様の未来の目を守るために〜新しい近視治療の選択肢〜
【違いがスッキリ!】お子様の近視進行を抑える2つの方法、どっちが合う?✨点眼薬と特殊眼鏡の徹底比較ガイド
はじめに:近視が進むことの本当の意味
お子様の視力検査で「近視ですね」と診断されたとき、保護者の皆さんはどのようなお気持ちでしょうか?
「視力が下がって眼鏡が必要になるのね」と、まずは眼鏡のことを考えるかもしれません。でも、実は近視が進むことには、もう少し大きな意味があるのです。
この記事では、お子様の近視進行を抑えるための2つの新しい選択肢について、分かりやすくご紹介します。どちらも、将来の目の健康を守るための大切な治療法です。ぜひ、お子様のライフスタイルや性格に合わせて、最適な方法を見つけていただければと思います。
📌近視が進むと、どんなことが起こるの?
「近視は、ただ見えにくくなるだけじゃないの?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は、近視が進みすぎると(強度近視)、将来、目の病気になるリスクが高まることが分かっています。
具体的には、以下のような病気への注意が必要になります:
- 緑内障:視野が狭くなる病気
- 網膜剥離:網膜がはがれる病気
- 近視性黄斑変性:見るための重要な部分(黄斑)に障害が起こる病気
また、「見えにくさ」は、お子様の日常生活や学習にも影響を与えることがあります。黒板が見えにくい、本を読むのがつらい、お友達と遊ぶときにも不便を感じるかもしれません。
大切なポイント: 「大人になってからの目の健康」を守るために、今できることがあります。
🎯「近視を治す」のではなく「進みにくくする」治療
ここで、とても大切なことをお伝えしたいと思います。
近視の進行抑制治療は、「近視を治す」のではなく「進みにくくする」治療です。
一度伸びてしまった眼球の長さ(眼軸長といいます)は、残念ながら戻りません。この治療の目的は、眼球がこれ以上過剰に伸びるのを抑えることです。
お子様の体の成長とともに、目の成長も続きます。10代後半、成長が止まる時期まで、長く続けることが大切です。ご家族の理解と協力も、治療を続ける上でとても重要になります。
💧選択肢A:低濃度アトロピン点眼薬(リジュセアミニ0.025%)
特徴:1日1回、寝る前にさすだけの目薬
低濃度アトロピン点眼薬は、お子様の近視進行を抑えるために開発された目薬です。1日1回、寝る前にさすだけという、とても手軽な方法です。
✨メリット
手軽に始められる
- 目薬をさすだけなので、生活に取り入れやすい
- 特別な準備や時間は必要ありません
新しい濃度で、リバウンドや副作用を抑えた製品が承認されました
- 従来の濃度よりも低い**0.025%**という新しい濃度が承認され、より安全に使用できるようになりました
- リバウンド(治療を止めたときに近視が急に進むこと)を抑える工夫もされています
⚠️注意点
まぶしさや手元の見にくさを感じることがあります
- 点眼後、まぶしさを感じたり、手元が見にくくなることがあります
- 多くの場合、数週間で慣れてきますが、症状が続く場合はサングラスなどをご提案することもあります
視力を良くするわけではないので、眼鏡は必要です
- この目薬は、近視の進行を抑えるためのものです
- 今の見え方を良くする効果はないため、通常の眼鏡は引き続き必要です
👓選択肢B:近視管理用眼鏡(多分割レンズ)
特徴:特殊な構造のレンズで、かけるだけで近視抑制効果が期待できます
近視管理用眼鏡は、特殊な構造のレンズを使用した眼鏡です。普段の眼鏡としてかけるだけで、近視の進行を抑える効果が期待できます。
✨メリット
普段の眼鏡として使うだけなので、生活に取り入れやすい
- 特別な手順は必要なく、通常の眼鏡と同じように使用できます
- お子様の生活リズムを変える必要がありません
2年間で約60%の進行抑制効果が報告されています
- 研究データでは、この眼鏡を使用することで、近視の進行を約60%抑えることが期待できると報告されています
⚠️注意点
常に正しい位置でかける必要があります
- 眼鏡の位置がずれると、効果が下がってしまう可能性があります
- 定期的なフィッティング(眼鏡の調整)が大切です
フレーム選びに少し制限があります
- 効果を十分に発揮するため、縦幅が広めのフレームが推奨されます
- 眼科や眼鏡店での適切なアドバイスを受けながら選ぶことが大切です
※まずは、適切な眼鏡を装用していただくために、通常の眼鏡装用から始めます。
📅治療の流れと、どれくらい通院が必要?
🔍検査について
どちらの方法を選ばれる場合でも、定期的な検査が必要です:
- 瞳孔を開く検査:目の中の状態を詳しく調べます
- 眼軸長(目の長さ)の測定:近視の進行を正確に判断するための重要な検査です
🏥通院の頻度
点眼薬の場合
- 最初:処方後1週間〜1ヶ月後(副作用の確認のため)
- その後:3〜6ヶ月ごとに定期検査
近視管理用眼鏡の場合
- 最初:開始2週間後(見え方やフィッティングの確認のため)
- その後:6ヶ月ごとに定期検査
💰費用について
治療に必要な費用は、クリニックの料金体系によって異なります。詳しくは、実際の診察の際にご相談いただければと思います。
🤔どっちを選べばいいの?
お子様に合った方法を選ぶためには、以下のようなポイントを考えてみてください:
点眼薬が向いているお子様
- 目薬をさすことに抵抗がない
- 生活リズムが比較的安定している
- サングラスをかけることに抵抗がない
近視管理用眼鏡が向いているお子様
- 眼鏡をかけ続けることに抵抗がない
- 眼鏡を正しい位置で保てる
- 生活リズムが不規則で、点眼薬の管理が難しい
もちろん、お子様の性格やライフスタイル、ご家族の状況によって、最適な方法は変わってきます。まずは、詳しい検査と診察を受けて、専門医と一緒に考えていただければと思います。
🌟一緒に、お子様の未来の目を守りましょう
お子様の近視進行を抑えることは、将来の目の健康を守るための大切な投資です。
どちらの方法を選ばれる場合でも、長く続けることが大切です。途中で不安になったり、疑問が生じたりしたときは、遠慮なくご相談ください。私たちは、お子様とご家族の皆様と一緒に、この治療を続けていきたいと考えています。
まずは、検査と診察から始めましょう。お子様の目の状態を詳しく調べた上で、最適な方法をご提案させていただきます。
皆様と一緒に、お子様の明るい未来を守っていきたいと思います。
📝この記事のまとめ
- 近視が進みすぎると、将来の目の病気のリスクが高まります
- 近視進行抑制治療は、「近視を治す」のではなく「進みにくくする」治療です
- 2つの選択肢があります:点眼薬(低濃度アトロピン)と近視管理用眼鏡
- どちらも、お子様のライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です
- まずは、詳しい検査と診察から始めましょう



