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見えることで徹底予防!白内障と認知症の意外な関連性とは

こんにちは!

鈴木眼科グループ 院長 兼 主任執刀医の鈴木高佳です。

本日もみなさまに役立つ、目の情報をお届けして参りますので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次[非表示]

  1. 1.”元気な高齢者の秘訣”を探る大規模実験
  2. 2.視力が悪くなると、なぜ認知症のリスクが高まるのか?
  3. 3.認知症になってから手術を受けても回復しない
  4. 4.まとめ

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さて、当クリニックで定期的に開催している白内障セミナーの中で、特に皆さんからの注目度が高い項目が『白内障と認知症の関連性』の部分になります。

認知症は誰もが発症する可能性のある病気ですし、白内障は80代以上になるとほぼ全員に症状が現れると言われていますから、決して他人事ではありませんよね。

昨今、高齢者の視力低下は、記憶力といった認知機能に影響を及ぼすことが臨床研究によって明らかになってきました。


”元気な高齢者の秘訣”を探る大規模実験

奈良県立医科大学では高齢者約3000人を対象に、大規模な疫学調査を実施しました。

この調査の目的は”元気な高齢者の秘訣”を探る事です。


自分で歩くことが出来る65歳以上の男女のあらゆる項目の健康診断を実施し、その結果、視力が悪くなるほど認知機能レベルが低いという事が明らかになったのです。


実験に携わった緒方奈保子医師は『視力のいい人の方が明らかに認知機能は高く保たれていました。また検査を受けた人の中にはMMSE※が認知症レベルまで下がっている人も約6%含まれていて、視力の悪い人は視力のいい人の約2倍も認知症の発症リスクが高いことも分かりました。」と述べています。

要するに、視力の悪さと認知機能の衰えは比例していくということです。

※MMSE(ミニメンタルステート検査):国際的な認知症診断を行うテスト



視力が悪くなると、なぜ認知症のリスクが高まるのか?

では、なぜ視力が悪くなると、、認知症のリスクが高まるのかをご説明します。

昔から『百聞は一見にしかず』ということわざがある様に、人は脳に送られてくる80%以上を眼で見る情報から得ています。

その為、視力が低下すると得られる情報が少なくなり、必然的に脳に送られる情報も減少してしまう訳です。脳は使わなければ、機能はどんどん衰えていき、それが認知症の発症率を大きく向上させる要因となっています。


認知症になってから手術を受けても回復しない

私が白内障と認知症の関連性を患者様にご説明すると、ごく稀に『認知症になってから、白内障手術を受ければいいじゃないか。』というご意見を頂く事があります。

しかし、それではもう手遅れなのです。

認知症は、進行性の病気ですから、進行を遅らせることが出来ても発症してしまうと認知機能を元に戻すことは期待できません。

ですから、発症前に手術し視力の改善を図ることが大切なのです。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

白内障になると認知症の発症リスクが高まる秘密は、脳に隠されていたのですね。

次回は、発症のメカニズムについてもう少し詳しくお伝えします。

是非、読んで頂けると幸いです。


>>視力が悪くなると、認知症の発症リスクは2倍に!?そのメカニズムとは



鈴木高佳
鈴木高佳
鈴木眼科グループ院長 兼 主任執刀医。 平成6年日本医科大学卒。日本医科大学第一病院にて麻酔科研修後、横浜市立大学医学部付属病院に所属する。この間、同大学病院、函館の藤岡眼科病院、小田原の佐伯眼科クリニックへの勤務を通して白内障手術はじめ眼科一般の経験を積む。平成14年より東京歯科大学市川総合病院眼科にて角膜疾患の診断・治療に携わり、また同年より東京歯科大学水道橋病院眼科にてLASIKをはじめとする屈折矯正手術と日帰り白内障手術を専門に行う。平成19年国際親善病院眼科部長に就任。網膜硝子体疾患に対し手術および内科的治療(光線力学療法、抗血管内皮増殖抑制因子硝子体注射療法など)を導入し、多数の患者さんの診断と治療を担当。平成22年4月、戸塚駅前鈴木眼科を開院。

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