加齢に伴い、発症しやすい目の病気をご紹介
こんにちは!鈴木眼科グループ院長 兼 主任執刀医の鈴木高佳です。
本日もみなさまに役立つ目の情報をお届けして参りますので、どうぞお付き合いください。
さっそくですが、第8回目となる本日は、加齢に伴い発症しやすい目の病気を幾つかご紹介していきます。
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モノがゆがんで見えたら疑って欲しい、黄斑上膜(おうはんじょうまく)
70歳代を中心に発症率が高まる疾患で、網膜の表面に膜が形成される病気です。
軽症の場合は、網膜の前に透明なセロハン状の膜が張っているだけなので、自覚症状はありません。しかし、病状が進行してくると、視力低下とモノが歪んで見えてくるようになります。
病状が進行しても、基本的に失明には至らない病気ですが、手術しなければ回復が見込めない病気なので、当クリニックでは、、患者様と手術時期をよく話し合ったうえで、行っています。
常に鮮明に見えるようになったらなったら注意!飛蚊症(ひぶんしょう)
モノを見るときに、実際は飛んでないのに、虫のような黒い点や、輪や糸状の浮遊物が漂って見えたことはありませんか?この様な症状を飛蚊症と呼びます。飛蚊症には特に治療が必要でない「生理的」なものと、治療をしないと視力が害されることがある「病的」なものに分けられます。
病的な場合には、網膜剥離や硝子体出血などの恐ろしい病気が隠れている可能性もあるので、浮遊物が突然鮮明に見えたり、常時見えたりする場合は、早めに専門医へ相談してください。
失明の危険性あり!加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
加齢とともに、眼の網膜にある黄斑という部分に異常が現れる病気です。
ちょうど、視野の真ん中あたりがゆがんだり、暗くなったりします。一番見たいと思う部分が見えにくくなってしまうので、発症すると日常生活に支障をきたします。放置しておくと、失明の危険が伴う病気ですから、自覚症状が出た場合には、すぐに専門医に相談することをおすすめします。
糖尿病なら注意してほしい、糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)
糖尿病が原因で目の中の網膜が傷つき、視力が低下する病気です。初期段階では自覚症状が見られませんが、白目の血管の状態を見ると、小さな出血など、少しずつ異常が現れます。病状が進行すると、視力低下や目の中で大きな出血が起きることがあります。
糖尿病に付随して現れる病気なので、糖尿病の方は特に注意して頂きたい病気です。
高血圧の人に発症しやすい、網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)
50歳以上の方に発症しやすい病気で、高血圧と深い関連があり、この病気で当クリニックに訪れる患者様も80%が高血圧の患者様です。
網膜の血管が詰まって、血液が流れなくなる病気で、糖尿病網膜症と並び、大きな出血を引き起こすのが特徴です。また、網膜に血液中の水分がたまって、むくみなどを起こします。どの血管が詰まったかによって症状の現れ方はさまざまですが、高血圧の方で、視力が短期間で極端に悪くなったら、この病気を疑ってください。
さいごに
以上、加齢に伴い発症しやすくなる目の病気を紹介してきましたが、いかがでしたか?
人によって、目の病気はすぐに症状が現れる事もありますが、大体の人が気が付かないうちにゆっくりと進行していくことの方が多いかと思います。
一生涯、よく見える目でいる為に、病気に対する正しい知識を持ち、異変をいち早く察知して、早期治療を行うことが大切です。
何の異常が無い場合でも、目の健康診断はぜひ、定期的に行ってくださいね!