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Q.「全国どこでも老眼・近視・遠視・乱視治療の多焦点眼内レンズ手術をお願いできますか?」 多焦点眼内レンズQ&A[どんな人が手術を受けられるか]⑧

A.残念ながら「全国どこでも」というわけにはいきません。
その理由の一つは、老眼・近視・遠視・乱視を治療できる3焦点タイプの多焦点眼内レンズ(パンオプティクス、ファインビジョン)など、多焦点眼内レンズを、白内障手術に使う眼内レンズとして採用していない医療機関もあるからです。

パンオプティクスや、レストア、テクニスマルチフォーカルといった眼内レンズは厚生労働省に認可されているので、以前よりは採用する眼科がだいぶ増えてきたようです。
一方のファインビジョンは未承認のため、使用する白内障手術は自由診療の扱いとなり、公的医療保険対象外の全額自己負担で行われます。

どのような性能の眼内レンズを何種類ぐらい用意するかは、医療機関それぞれの裁量に任されています。「保険診療で受けられる範囲内の眼内レンズ」と決めているところもあれば、「自由診療でも世界中から取り寄せて、患者さんの選択肢の幅を広げたい」と考えるところもあります。極端な話、3焦点タイプだけでなく多焦点眼内レンズ自体を全く使用していない医療機関もまだまだ多数あるのです。

もう一つの理由は「パンオプティクスやファインビジョンを使う白内障手術は行っているが、それらを老眼・近視・遠視・乱視・治療として行うことは考えていない」という状況の医療機関がいまだ多いからです。私は「白内障を治して、しかも老視・近視・遠視・乱視をなくすこと」と「老視・近視・遠視・乱視をなくして、しかも白内障も進行する前の軽度のうちに治してしまう」はどちらもメリットや意味があると考えるのですが、そのような一種の発想の転換が浸透するにはまだ少し時間がかかるのかもしれません。

そのようなわけで老視・近視・遠視・乱視治療としての多焦点眼内レンズ手術を受けたい方は、眼科の各医療機関がインターネットで発信する情報検索してみてください。当クリニックのような「老視・近視・遠視・乱視を治療する多焦点眼内レンズ手術」や、あるいは「老眼手術(老眼・近視・乱視治療)」というように明記にしていたり、インターネット検索で表示されている眼科医療機関であれば手術を受けることができると思います。


さいごに

今回は「白内障手術と原理が同じということは、白内障手術を行っている病院やクリニックなら、全国どこでも老眼・近視・遠視・乱視治療の多焦点眼内レンズ手術をお願いできますか?」という質問について回答しましたが、いかがでしたでしょうか?

多焦点眼内レンズ手術や、その他治療等の方針はクリニックによって様々です。
インターネットや書籍等から情報を集めて正しく理解し、医師と相談することはとても大切です。

眼内レンズのことや、その他どんなことでもご相談ください。

次回は「多焦点眼内レンズ手術をしても、メガネやコンタクトレンズを使わなければならないケースはありますか?」という質問にお答えしていこうと思います。

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ぜひご気軽にご相談ください。

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鈴木高佳
鈴木高佳
鈴木眼科グループ院長 兼 主任執刀医。 平成6年日本医科大学卒。日本医科大学第一病院にて麻酔科研修後、横浜市立大学医学部付属病院に所属する。この間、同大学病院、函館の藤岡眼科病院、小田原の佐伯眼科クリニックへの勤務を通して白内障手術はじめ眼科一般の経験を積む。平成14年より東京歯科大学市川総合病院眼科にて角膜疾患の診断・治療に携わり、また同年より東京歯科大学水道橋病院眼科にてLASIKをはじめとする屈折矯正手術と日帰り白内障手術を専門に行う。平成19年国際親善病院眼科部長に就任。網膜硝子体疾患に対し手術および内科的治療(光線力学療法、抗血管内皮増殖抑制因子硝子体注射療法など)を導入し、多数の患者さんの診断と治療を担当。平成22年4月、戸塚駅前鈴木眼科を開院。

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